タイ現地採用のカスタマーサポートは何をする?経験者が語る仕事内容と働き方

「タイで働いてみたいけれど、未経験でもできる仕事はあるのだろうか」「カスタマーサポートの求人を見かけるけれど、実際にはどんな仕事をするの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

私がタイへの移住を決め、最初に採用してもらえた仕事がカスタマーサポートでした。学生時代に飲食店などでアルバイトをした経験はありましたが、この業界は全くの未経験。入社後に一から勉強し、試用期間を経て、約3年間勤務しました。

先に結論をお伝えすると、私が経験したカスタマーサポートは、電話で問い合わせを受けるだけでなく、お客様が必要とする手配を進め、解決まで支える仕事でした。勤務中は忙しく、英語や複数の案件を同時に進める力も求められました。一方で、退勤後は仕事から離れられ、まとまった休みを使って旅行を楽しめる働き方でもありました。

今回は、私が実際に働いていた会社での経験をもとに、仕事内容やシフト、研修、仕事の大変さなどをご紹介します。カスタマーサポートといっても扱うサービスや勤務先によって内容は異なりますので、タイ現地採用の一例として読んでいただければと思います。

未経験でタイのカスタマーサポートに採用されるまで

「未経験OK」の求人に応募していた就職活動

タイで働きたいと思った当時、私は転職エージェントに登録し、「未経験OK」の求人には、ひとまずすべて応募してもらっていました。その中でいくつか面接に進み、5社ほど受けた末に採用してくれたのが、この会社でした。

具体的な求人サイトや転職エージェントについては、私が利用した転職エージェントと求人の探し方にまとめています。

今振り返ると、かなり勢いのある就職活動だったと思います。学生上がりで、社会人としての実務経験も、海外で長期間暮らした経験もありませんでした。それでも「タイで生活してみたい」という気持ちが先に立っていたのです。

もし今の私が採用担当者だったら、「この人は移住後の環境の違いに戸惑って、すぐ辞めてしまわないだろうか」と心配になるかもしれません(笑)。当時はそこまで考えられていませんでしたが、内定をいただいたときのうれしさは今でも覚えています。

内定から入社までは約1か月

内定をいただいたのは2月末で、入社は4月頭でした。採用が決まってから、移住に向けた準備を本格的に始めました。

記憶では、ビザの手配などのために3月中旬ごろにはタイに来ていたと思います。ただし、仕事のトレーニングが始まったのは入社後です。移住して新生活を整えながら、未経験の仕事も覚えていくことになりました。

採用までに受けた面接の内容は、私がタイ現地採用の面接で聞かれた質問にまとめました。

仕事内容は日本人のお客様への対応と世界各国への手配

お客様とのやり取りは日本語の電話が中心

私の仕事を簡単に説明すると、世界各国にいる日本人のお客様から電話を受け、必要な手配を行い、その結果を再びお客様へお伝えするというものでした。

お客様との連絡は、ほとんどが電話です。サービス終了後のフォローアップなどで、まれにメールを使うこともありました。ここで使用する言語は、基本的に日本語でした。

ただ、電話を受けて内容を記録すれば終わり、という仕事ではありません。お客様がどこにいて、何を必要としているのかを確認し、実際の手配につなげる必要があります。お客様への応対と、その後に行う調整の両方が仕事でした。

海外への問い合わせや手配には英語を使う

お客様に必要な手配を進める際は、世界各国の関係先と連絡を取ります。使用する手段は電話、メール、チャット、そしてFAX。このやり取りは、ほぼ英語で行っていました。

そのため、私の勤務先では「日本人向けのカスタマーサポートだから、日本語だけで仕事が完結する」というわけではありませんでした。お客様には日本語で対応し、その裏側では英語を使って手配を進める、という働き方です。

タイでカスタマーサポートの求人を探すときは、お客様への対応言語だけでなく、社内や手配先との連絡で何語を使うのかまで確認すると、入社後の仕事をイメージしやすいと思います。

応募時の英語力と実際の業務で使った英語については、カスタマーサポートで実際に必要だった英語力でも詳しく紹介しています。

複数の案件を同時に進める忙しさがある

入電はひっきりなしにあり、常に複数の案件を抱えていました。電話で対応しながらメールを作成し、お客様とのやり取りの合間に協力会社への報告書をまとめて送る。自分の案件を進めながら、対応に困っているチームメンバーのサポートに入ることもあります。

一つの案件を終えてから次に進むというより、複数の案件について、そのとき必要な対応を考えながら動く仕事でした。

お客様がいる国も、要望の内容も、状況の深刻さもそれぞれ違います。すべてのケースをそのまま当てはめられる、完璧なマニュアルはありませんでした。その分、毎日「どうすれば対応できるだろう」と考える面白さもありました。

24時間365日のシフト勤務はどんな働き方だった?

朝勤・昼勤・夜勤がある勤務体制

私の会社は24時間365日対応する必要があったため、夜勤を含むシフト制でした。勤務時間の例は、次のとおりです。

  • 朝勤:8時〜17時
  • 昼勤:11時〜20時
  • 夜勤:長い場合は20時〜翌朝9時

休憩は通常1時間、夜勤は仮眠時間を含めて2時間ありました。それ以外は、基本的に電話対応や手配を進めていました。

私は仕事を器用にこなせるタイプではなく、勤務中はいつも何かをしていた記憶があります。スマホを見る余裕はなく、忙しいとトイレに立つタイミングを見つけるのも難しいことがありました(笑)。

記憶している限りでは、多い日は1日で最大30件程度、受付から対応完了まで進めていたと思います。ただし、案件によって必要な時間や手配の量は異なるので、件数だけでは忙しさを表しきれない仕事でもありました。

退勤後は仕事から離れ、まとまった休みも楽しめた

勤務中は忙しい一方、仕事と私生活の区切りがはっきりしていたことは、大きな魅力でした。

お客様の個人情報を社外に持ち出せないため、私の勤務先では退勤後に仕事の連絡が来ることは一切ありませんでした。会社を出れば、その後は自分の時間です。

また、シフトによってまとめて働くと、その分まとまった休みも取りやすい環境でした。タイ国内や海外へ旅行に出かけたり、数日間部屋でのんびり過ごしたりと、休日を楽しめました。

夜勤のある生活が自分に合うかどうかは考える必要がありますが、私にとっては、忙しく働く時間と自由に過ごす時間の両方を持てる働き方でした。

未経験でも働ける?入社後の研修と相談体制

約1か月の研修から少しずつ実務へ

未経験で応募する場合、「入社してすぐに電話を取るのだろうか」「分からないことがあったら、誰かに聞けるのだろうか」と気になる方もいると思います。私の勤務先では、入社後に約1か月の研修があったと記憶しています。

研修では、電話応対の方法を学んだり、よくあるケースを想定して対応の流れをシミュレーションしたりしました。サービスに関する知識だけでなく、お客様から何を確認し、どのような順番で手配するのかも覚えていきます。

ある程度の知識を身につけたら、先輩の横について実際の対応を見ながら、業務をサポートします。そして2か月目くらいから、先輩に対応をモニターしていただきながら、自分で案件を担当し始めました。

座学で覚えることと、実際の電話で対応できることは別です。お客様によって話すスピードも状況も異なるため、研修で学んだ内容を実務の中で少しずつ使えるようにしていく期間でした。

試用期間を経てチームに配属される

私の会社では、試用期間が3か月に設定されていました。その間に会社が求める水準に達することができれば本採用となり、達しない場合には、試用期間の延長や採用の見送りとなることもありました。

本採用後はチームに振り分けられ、メンバーに助けてもらいながら経験を積んでいきます。独り立ちしたからといって、すぐに何でも一人で判断できるわけではありません。さまざまな問い合わせに対応し、相談しながら成長していく流れでした。

最初は支えてもらう側ですが、経験が増えてくると、今度は困っているメンバーを支える側にもなります。自分の案件だけでなく、周りの状況にも目を向けることが求められる職場でした。

大変だったのは、自分のミスが苦情につながったとき

案内の不備から、解決まで約1年かかったことも

勤務中は基本的に忙しかったのですが、それ以上にきついと感じたのは、自分のミスによって苦情案件を作ってしまったときです。

私も入社して間もないころ、案内の不備が原因で大きなクレームにつながり、収束まで約1年かかった経験があります。場合によってはタイの拠点だけでは対応できず、本社まで巻き込むこともある仕事でした。

その案件に毎日対応していたわけではありません。それでも、対応する日はどっと疲れが出ましたし、周りの先輩方の時間を使わせてしまっていることが本当に申し訳なく、反省していました。

電話でお伝えした内容は、お客様がその後どう動くかにも関わります。自分では小さな説明不足だと思っていても、お客様にとっては大きな問題につながる場合がある。その重さを実感した経験でした。

正確さと、お客様に寄り添う姿勢を学んだ

この仕事を通じて学んだのは、正確に案内すること、お客様の立場に立つこと、提供できるサービスに誠実に取り組むこと、そして誤った対応をしたときには謝ることです。

どれも当たり前に聞こえるかもしれません。しかし、電話が次々に入り、いくつもの案件を同時に進めている中でも、それを続ける必要があります。

忙しいときほど確認をおろそかにせず、自分で判断しきれないことは相談する。そうした基本の大切さを、実際の失敗を通じて学びました。楽しい経験ばかりではありませんでしたが、お客様に対応する仕事の土台を身につけた3年間だったと思います。

お客様からの感謝と、案件を解決できたときの達成感

大変な反面、「この仕事をしていてよかった」と思える場面もありました。特にうれしかったのは、お客様から感謝の言葉をいただいたときです。

電話口で直接お礼を言っていただくこともあれば、対応が終わった後、わざわざメールでご連絡をいただくこともありました。忙しく対応している中で、自分たちの手配が役に立ったと分かるのは、仕事を続ける励みになりました。

また、長引いていた案件を無事に解決できたときの達成感も印象に残っています。すぐには答えが出ず、いくつものやり取りを重ねた案件ほど、きれいに対応を終えられたときはほっとしました。

私が経験したカスタマーサポートは、電話を取った件数だけで完結する仕事ではありません。お客様の困りごとに対して、解決に向けた手配を進められることに、やりがいがありました。

タイのカスタマーサポートはどんな人に向いている?

お客様の立場で考え、次の行動に移せる人

私が働いていた会社の業務は、カスタマーサポートの中でも少し特殊だったと思います。それでも、お客様に寄り添って誠実に対応する姿勢は、この仕事に共通して大切なのではないでしょうか。

特に向いていると感じるのは、「今、お客様は何に困っているのか」「解決するには次に何ができるのか」を考え、行動に移せる方です。

すべての対応方法がマニュアルに書かれているわけではありません。分からないことを確認し、周りに相談しながらでも、次の手を考えて進められる方には、面白さを感じられる仕事だと思います。

内勤を希望し、仕事と私生活を分けたい人

内勤の仕事を希望する方や、退勤後の時間を大切にしたい方にも、私が経験した働き方は合うかもしれません。勤務中は忙しくても、退勤後に仕事から離れられることは、私にとって大きなメリットでした。

ただし、応募前には、扱うサービス、使用言語、夜勤の有無、研修や相談体制などを確認しておくとよいと思います。同じ「カスタマーサポート」という職種名でも、仕事内容や働き方は会社によって異なるためです。

私の経験だけを見て「未経験でも簡単そう」と考えるよりも、自分が続けられそうな業務内容や勤務時間かどうかを、面接で具体的に聞いてみてください。

仕事内容とあわせて待遇も確認したい方は、当時のカスタマーサポート職の給与と福利厚生も参考にしてください。

まとめ|未経験からタイで働く最初の一歩になった仕事

私にとってカスタマーサポートは、タイで働き、暮らしていくための最初の一歩になった仕事でした。未経験から入社し、研修と実務を通じて、日本語でのお客様対応、英語での手配、複数の案件を進める力を学びました。

忙しさやミスの責任を重く感じることもありましたが、お客様から感謝されたときや、難しい案件を解決できたときには、大きなやりがいがありました。まとまった休みを使って旅行をしたり、退勤後を自分の時間として過ごせたりしたことも、印象に残っています。

タイでの就職を考えていて、人の困りごとを解決する仕事に関心がある方にとって、カスタマーサポートは検討する価値のある選択肢だと思います。この記事が、求人票だけでは分かりにくい仕事内容や働き方をイメージする参考になればうれしいです。

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