タイ移住は逃げなのかなと悩む人は意外と多い
「タイへ移住したいけれど、それって日本から逃げることになるのでは?」
海外移住を考え始めると、一度はこんなことを考える人も多いのではないでしょうか。
家族や友人から「現実逃避じゃないの?」「日本でうまくいかないから海外へ行くんでしょ?」と言われたり、自分自身でも「本当にこの選択でいいのかな」と不安になることがあります。
私自身もタイへ移住する前は、「海外で生活したい」という気持ちがありながらも、本当に日本を離れていいのか少し迷った時期がありました。
現在はタイで現地採用として7年以上生活していますが、実際に住んでみたからこそ思うことがあります。
今回は「タイ移住は逃げなのか?」というテーマについて、私自身の経験をもとにお話ししてみようと思います。
結論:タイ移住が逃げかどうかは理由とその後の行動で決まる
最初に結論からお伝えすると、私はタイ移住そのものが「逃げ」だとは思っていません。
ただし、「日本から離れればすべて解決する」と考えて移住すると、現実とのギャップに苦しむ可能性があります。
逆に、日本で何か悩みを抱えていたとしても、「海外で新しい挑戦をしたい」「人生を変えるきっかけにしたい」という気持ちで準備をして移住した人は、充実した生活を送っているケースも多く見てきました。
つまり、大切なのは日本を離れることではなく、タイでどんな生活を送りたいのかという目的と、そのための準備なのだと思います。
なぜ「タイ移住は逃げ」と言われるのか
タイ移住について調べていると、「逃げ」「現実逃避」という言葉を目にすることがあります。
では、なぜそのように言われるのでしょうか。
日本の仕事や人間関係から逃げたと思われやすい
一番多い理由はこれではないでしょうか。
日本での仕事、人間関係、将来への不安などに疲れ、「海外なら人生をやり直せるかもしれない」と考える人は少なくありません。
その中でもタイは、日本人にとって比較的移住しやすい国として知られています。
一年中暖かい気候、比較的生活しやすい物価、日本食レストランや日系スーパーの多さなど、日本人でも暮らしやすい環境が整っています。
だからこそ、「日本を離れるならタイ」と考える人も多いのでしょう。
私は、日本を離れるという選択自体は決して悪いことではないと思っています。
人生は一度しかありませんし、自分が納得できる環境へ挑戦することは、とても前向きな選択です。
ただ、「タイへ行けばすべてが解決する」と思ってしまうと、その期待とのギャップに苦しむ可能性があります。
海外生活への憧れだけで移住する人もいる
実は私自身も、このタイプに近かったかもしれません。
最初は「海外で暮らしてみたい」という気持ちが一番大きく、タイという国そのものよりも、「海外生活」に憧れていました。
もちろん、学生時代から何度もタイへ来ていたこともあり、住みやすい国だというイメージは持っていました。
それでも、実際に住み始めると想像していなかったことは次々に起こります。
コンドミニアムでのトラブル、勤務先での人間関係、ビザの更新、転職活動など、日本では経験しなかった悩みに何度も直面しました。
「海外へ来れば人生が変わる」と思っていたわけではありませんが、環境が変われば新しい課題も必ず出てくるということは、身をもって実感しました。
つまり、日本から逃げるような気持ちでタイへ来ても、今度はタイで別の壁にぶつかる可能性は十分あります。
だからこそ、タイ移住は「逃げるため」ではなく、「新しい環境へ挑戦する」という気持ちで来た方が、結果的に長く生活できるのではないかと私は感じています。
現実とのギャップで帰国する人も少なくない
タイで生活していると、帰国する日本人の方も数多く見てきました。
もちろん理由は人それぞれですが、「思っていたタイ生活と違った」というケースは決して珍しくありません。
一方で、日本へ帰って「やっぱり日本はいい国だった」と気付けたのであれば、それも一つの気づき、成功だと思います。
実際に住んだからこそ、日本の便利さやサービスの質、家族や友人の存在の大きさに気付く人も多いからです。
ただ、中には「まだタイで生活したい」と思っていても、帰国せざるを得ない人もいます。
その理由として多いのが、ビザの問題です。
タイで外国人が長期間生活するためには、就労ビザや滞在資格などが必要になります。
勤務先の事情でビザが更新できなくなったり、会社を退職したことで滞在資格を失ったりすると、自分の意思とは関係なく帰国しなければならないこともあります。
このような制度は日本で生活しているだけではあまり意識しませんが、海外移住では非常に重要なポイントです。
「タイなら何とかなる」と考えるのではなく、仕事やビザ制度まで含めて事前に調べておくことが、後悔しない移住につながると思います。
私がタイ移住を決めた理由
ここまで読むと、「私は日本から逃げるためにタイへ来た人なのかな」と思われるかもしれません。
ですが、私の場合は少し違います。
もちろん、日本で仕事をしていて嫌なことが全くなかったわけではありません。仕事で悩んだこともありますし、将来について漠然とした不安を感じていた時期もありました。
それでも、「日本が嫌だからタイへ行こう」と考えたことは一度もありません。
私を動かしたのは、「海外で生活してみたい」という気持ちでした。
その夢を実現する方法を調べていった結果、一番現実的だったのがタイだったという流れです。
学生時代からタイが好きだった
学生時代、私は海外インターンなどで何度か海外へ行く機会がありました。
その中でも特に好きになったのがタイでした。
バンコクには何度も滞在し、旅行では分からないような現地の日常生活を少しずつ知るようになりました。
タイ人の友人ができたり、長年タイで暮らしている日本人の方から話を聞いたりする機会も増え、「海外で暮らす」ということを現実的に考えられるようになりました。
今思えば、この経験はとても大きかったと思います。
タイ生活の良い面だけでなく、不便なところや文化の違いもある程度理解した上で移住を決断できたからです。
そのため、「こんなはずじゃなかった」と感じることはあっても、「騙された」と思うことは一度もありませんでした。
海外移住という夢を実現したかった
昔から「いつか海外で生活してみたい」という思いはずっと持っていました。
その夢を叶えるためなら、不思議なくらい情報収集も苦になりませんでした。
タイで働ける仕事を調べたり、転職エージェントへ相談したり、日本から応募できる求人を探したり、自分の市場価値を確認したり。
実際にタイで就職活動を始める前から、できる準備はできるだけ進めていました。
もちろん、準備をしたからといって全てがうまくいくわけではありません。
それでも、「勢いだけで来た人」と「ある程度調べてから来た人」では、トラブルが起きたときの対応力は大きく変わると思います。
私はタイ移住を振り返ると、「運が良かった」という気持ちもありますが、その運を引き寄せるために最低限の準備はしていたのだと、今になって感じています。
日本が嫌だったわけではない
海外へ住むことと、日本が嫌いであることは、必ずしも同じではありません。
私は今でも日本は大好きです。
食事は美味しいですし、サービスの質は世界でもトップクラスです。公共交通機関も時間通りに動きますし、日本ほど安心して暮らせる国はそう多くありません。
もしタイへ来ていなかったとしても、日本で普通に生活していたと思います。
だからこそ、「海外へ行く=日本から逃げる」という考え方には少し違和感があります。
私にとってタイ移住は、日本を捨てる選択ではなく、新しい人生を経験してみたいという前向きな挑戦でした。
タイに住んで分かった現実
タイへ来る前からある程度は調べていましたが、それでも実際に住んでみないと分からないことはたくさんありました。
楽しいこともあれば、大変なこともあります。
ここでは、私が実際に生活して感じた現実についてお話しします。
給料は日本より低かった。でも今は状況が変わった
タイへ来た当初、私の給料は日本で大学生をしていた頃のアルバイト代より少ないくらいでした。
もちろん、それは想定していました。
私は「収入」よりも「海外で生活する経験」を優先してタイへ来たからです。
ところが、その後は円安とタイバーツ高の影響で状況が大きく変わりました。
現在では、現地採用で一つの目安と言われる5万バーツは、日本円で約25万円前後になります。
私がタイへ来た頃は約15万円程度だったため、同じ給料でも受ける印象は大きく違います。
もちろん為替は今後どうなるか分かりません。
だからこそ、「今がずっと続く」とは考えず、将来を見据えながら生活することも大切だと思っています。
それでもタイで得られた経験は大きかった
給料だけを比べれば、日本で働いた方が良かったという考え方もあるでしょう。
ですが、私にとってはお金以上に得られたものがたくさんありました。
外国人として生活する経験、多国籍な環境で働く経験、英語を使って仕事をする機会、タイでの転職活動など、日本だけでは経験できなかったことばかりです。
海外で暮らしたからこそ、自分の価値観も大きく変わりました。
もし「あのとき日本から出なければ」と考えると、今の自分はいなかったと思います。
そう考えると、私にとってタイ移住は「逃げ」ではなく、人生の大きな挑戦だったと言えます。
「逃げ」で終わる人と長くタイで暮らせる人の違い
これは偉そうに言えることではありませんが、タイで長く生活している中で感じることがあります。
それは、「勢いだけで移住した人」よりも、「準備をしてから移住した人」の方が長く生活している傾向があるということです。
もちろん運もあります。
勤務先との相性、人間関係、タイミングなど、自分ではどうにもならないことも少なくありません。
それでも、自分で準備できる部分はしっかり準備していた人の方が、壁にぶつかったときに乗り越えている印象があります。
目的がある人は強い
私は最初から立派な目標を持っていたわけではありません。
それでも、「海外で暮らしたい」という夢だけははっきりしていました。
一方で、「今の生活から逃げたい」という気持ちだけだと、新しい環境でも同じような悩みを抱えてしまうことがあります。
「タイで働きたい」「海外で成長したい」「異文化の中で挑戦したい」など、自分なりの目的がある人ほど、壁にぶつかっても乗り越えようとする力が強いように感じます。
現実を理解している人は後悔が少ない
タイは住みやすい国ですが、日本と全く同じではありません。
文化も仕事の進め方も価値観も違います。
だからこそ、日本と比較し過ぎるとストレスが溜まることもあります。
逆に、「違って当たり前」と考えられる人ほど、海外生活を楽しめている印象があります。
理想だけで移住するのではなく、現実も理解した上で挑戦することが、後悔しないタイ移住につながると思います。
タイ移住を考えている人へのアドバイス
もし今、「タイ移住は逃げなのではないか」と悩んでいるのであれば、私はそこまで気にする必要はないと思います。
大切なのは、日本から離れることではなく、タイでどんな人生を送りたいのかを自分なりに考えておくことです。
タイへ来れば、きっと日本では経験できない出来事がたくさん待っています。
もちろん楽しいことばかりではありません。
仕事で悩むこともありますし、人間関係やビザ、将来への不安など、日本とは違う苦労もあります。
それでも、その経験は必ず自分の財産になります。
海外移住は「人生をリセットする方法」ではなく、「人生の新しいステージに進む方法」なのだと私は思っています。
もし興味があるのであれば、まずは旅行で何度かタイへ来てみる、現地採用の求人を見てみる、タイで暮らしている人の話を聞いてみるなど、小さな一歩から始めてみてください。
その積み重ねが、自分にとって本当にタイ移住が合っているのかを判断する材料になるはずです。
まとめ
「タイ移住は逃げなのか」という問いに対する私の答えは、「逃げかどうかは本人次第」です。
仕事や人間関係に疲れて海外へ目を向けること自体は、決して悪いことではありません。
しかし、「タイへ行けば全て解決する」という考えだけでは、現実とのギャップに苦しむ可能性があります。
一方で、しっかり情報収集を行い、自分なりの目的を持って挑戦した人は、日本では得られない経験や価値観を手に入れることができます。
私自身も、タイへ来て大変だったことは数え切れません。それでも、「あのとき移住して良かった」と今でも心から思っています。
もしこの記事を読んでいるあなたが、「タイへ行きたい。でも逃げになるのではないか」と迷っているのであれば、ぜひ一度「なぜタイへ行きたいのか」を自分自身に問いかけてみてください。
その答えが見つかったとき、タイ移住は単なる「逃げ」ではなく、自分自身で選んだ新しい人生への挑戦になるはずです。
